サービス付き高齢者向け住宅には注意すべき?トラブル防止法を解説!

公開日:2024/05/15  

トラブル防止

ほとんどのサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は、利用者の安心のため健全な運営を行っていますが、ときにはトラブルが発生することもあります。この記事では、サ高住で実際に報告されているトラブル事例と未然に防ぐ方法をくわしく解説します。家族が安心して快適な生活を送るために、トラブル事例を理解し対策を知っておきましょう。

サ高住で実際に起きた費用のトラブル

サ高住は、高齢者が快適な老後を送れるようさまざまなサービスを提供する施設です。しかし、入居者と施設との間で費用に関するトラブルが発生するケースもあります。以下は、実際にサ高住で起きた費用にまつわる問題の一例です。

不当な介護保険サービス費の請求

入居者が契約時に想定していた月額費用と、実際に請求された額に大きな差異があるケースです。なかでも、不当な介護保険サービス費の請求が問題視されています。施設が介護サービスを提供している場合、本来ならその内容や必要性に基づいて請求されるべきですが、不透明な請求が行われ入居者が納得できないケースがあります。

月額費用の急な値上げ

契約時に提示された月額費用が、入居後に急激に上昇することがあります。施設側が契約内容を変更し、新たな費用の導入が原因です。入居者にとっては予測不可能な出費となり、生活の安定性に影響をおよぼす可能性があります。

退去時に入居一時金が返還されない

入居時に支払った一時金が退去時に返還されない問題が報告されています。返還の条件や手続きが不透明であったり、契約違反に基づく返還拒否がある場合、入居者は法的措置を取らなければならない状況に陥ります。

滞納して督促が来た

入居者が支払いを滞納した場合、施設から督促が来ることがあります。入居者の家族など、第三者によって支払っている場合に起こりがちな問題です。原因として、コミュニケーションの不足や契約書の誤解により、支払い内容や期限について支払い責任者が正確に理解していないことが挙げられます。

近年増加傾向にある問題・トラブル

近年、高齢者向け施設や介護サービスにおいて、さまざまな問題やトラブルが増加傾向にあります。これらの課題は、利益重視の施設運営や適切なサービス提供の難しさに起因しており、入居者やその家族、関係者にとって深刻な悩みです。

サービス品質の低下

経営効率を重視しコスト削減を優先する施設では、従業員の人員不足やトレーニングの不足により入居者への適切なケアが行き届きません。入居者の生活の質が低下し、身体的・精神的な健康に悪影響がおよぶ可能性があります。

運営体制と入居者のニーズのズレも深刻な問題です。施設の運営者が入居者のニーズや希望を理解せず、一方的なサービスの提供で、入居者とのコミュニケーション不足や不満が生じます。入居者の生活の充実度を損なう一因です。

介護サービスの不足や不適切なケアによる事故

介護サービスが必要な入居者数に対して、必要な人員や設備が不足している施設では、事故や健康問題が発生しやすい傾向です。入居者だけでなく、家族や関係者にとっても心身の負担を引き起こします。

トラブルを避けるためにできること

サ高住を利用する際、トラブルを未然に防ぐためには慎重な準備が欠かせません。以下は、サ高住でのトラブルを回避するための重要なポイントです。

人員配置の確認

サ高住の安全性は、スタッフの適切な配置に大きく依存するため、スタッフの資格や人数を確認しましょう。とくに夜間スタッフの配置の把握で、安心して生活できるかどうかを判断できます。

緊急時対応の確認

突発的な緊急事態に対する対応力は、サ高住の重要な要素です。緊急通報システムの有無や緊急時の対応方法を詳細に確認し、安心感のあるサ高住を選ぶよう心がけましょう。また、職員が不在の場合の緊急対応方法も確認しておくことが重要です。

入居率の確認

施設の入居率は、経営状態を示す重要な指標です。長期間低い入居率であれば経営不振の可能性があるため、事前の確認で将来のトラブルを回避できます。

短期解約特例(90日ルール)の把握

契約時には短期解約特例(90日ルール)の理解が大切です。クーリングオフとも呼ばれるもので、契約日から90日以内に解約すれば前払い金が全額返還される場合があるため、万一に備えてこのルールを知っておくと安心です。

重要事項説明書の確認

サ高住の施設やサービスに関する情報は、契約時の重要事項説明書に詳細に記載されています。説明書を十分に確認し、施設やサービスの内容、入居条件などを理解しておくことが大切です。

契約時のやり取りの記録

トラブル回避のためには、契約時のやり取りをメモや録音など、できるだけ詳細に記録しておきましょう。契約内容や取り決めが後から変更される可能性があるため、正確な記録は重要な手段です。

まとめ

サ高住での生活は高齢者にとって快適な環境の提供が期待されますが、費用や入居時のサービスでトラブルが発生すると、入居者とその家族にとって大きなストレスです。これらの問題は、高齢化社会の進展とともにますます深刻化しています。契約前に詳細な調査を行い、契約書の細かい条項に注意を払うことが重要です。また、これらのポイントを押さえ、慎重な準備を行うことで、サ高住での安心した生活を築けます。とくに、施設の人員配置や緊急時の対応体制、契約内容の確認は、トラブルを未然に防ぐために欠かせない基本的なステップです。

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