高齢者向け住宅で看取り介護は可能?どんなケアをしてくれるのか解説

公開日:2023/05/15


日本では病院で最期を迎える方が多いです。しかし、最近では有料老人ホームや高齢者向け住宅での看取りも希望する方も増えています。この記事では、高齢者向け住宅での看取り介護はどのようなケアを実施しているかについて解説。看取りの選択肢が増えると、その人らしい看取りができるのではないでしょうか。

看取り介護可能な高齢者向け住宅もある

近年、サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)をはじめとする老人ホームでの看取りが増得ています。最期は慣れ親しんだスタッフや生活環境のもと穏やかに迎えたいと願う方増え、また、そう要望に応えようと取り組んでいる施設も増えました。

とはいえ、看取り対応できる有料老人ホームは多いのですが、サ高住では38.2%とまだまだ少ない現状です。その理由として、本来サ高住は介護度が低い方を対象としたバリアフリー施設として設立されており、介護度が上がったら退去も考慮しなければなりません。そのため、入居費一時金が必要ない、有料老人ホームに比べ費用が掛からない施設が多いのが特徴です。

サ高住は一般型と介護型があり、一般型の主なサービスは「安否確認」と「生活相談」の2つです。看取り可能な高齢者向け住宅は、介護サービスを利用し、介護事業所や訪問看護ステーションを併設し、必要なときに必要な分だけサービス契約し利用するシステムを取っています。施設にもよりますが、外部事業所との契約も可能です。看取りとなった場合、一般型の「安否確認」「生活相談」だけでは療養生活が成り立たないため、夜間も介護士や看護師が常駐している介護型のサ高住を選択するとその不安も解消されるでしょう。

高齢者向け住宅でできる看取り介護とは

介護保険サービスとして看取り介護する場合、「看取り介護加算」の要件に即している必要があります。施設見学時に看取り介護の受け入れ可能か質問なさるとよいでしょう。実際にサ高住での看取り介護とはどのようになされるのか解説します。

看取り介護とは、看取りの過程で入居者の意思を尊重し日常生活援助(排泄、食事介助など)、状態変化について家族へ情報共有と施設で提供できる医療体制です。連携した医療機関や訪問看護師との連絡調整、家族が希望すれば最期に立ち会えるよう準備します。看取り直後はご家族で過ごせる時間を設け、医師や葬儀社が決まっていればそこに連絡。

実際に介護士が入居者に行うケアは、食事ケアとして嚥下機能の低下がみられる場合が多いため、医師や看護師の指示を受けながら食形態を選定し介助するのです。むせ込みや口腔内に食べ物のため込みなどがあれば医師に報告し、医師から家族へ状況説明され、今後の栄養経路確保の方法や予後について情報共有されます。排泄は、自力排泄が困難になるケースが多く、ケア介入が必要で、その役割を担っているのが介護士です。

さらに、深刻な状況になると、血圧低下から排尿が少なくなります。医療者は排尿の有無で最期の時期を予測することもあるので、排尿排便回数や症状を医師や看護師に連絡してくれるでしょう。清潔の保持として、入浴介助や入浴が困難な場合には清拭をし、手浴や足浴、更衣介助します。身体面のみではなく、思うように体が動かせないもどかしさや悲嘆に対して精神的なケアも行うのが特徴です。一緒に寄り添い手を握り、声を掛け、安楽な体位を調整し、ときにはマッサージし安心感を与えます。

看取り介護とほかのケアの違い

「看取り介護」とよく似た言葉で「ターミナル介護」があります。看取り介護は、死期が迫った入居者に対し心身の苦痛を緩和し軽減する目的があります。

一方でターミナル介護では、医療チームと介護チームが連携して支援する点では共通していますが、看護師による医療的ケアが中心です。たとえば、嚥下機能が低下すると食事や飲水のみならず、唾液を誤嚥し吸引が必要になる場面に多く出会います。全介護士が吸引できるのではないので、医療チームの介入が必須です。

また、酸素吸入が必要になったときや点滴や経管栄養など生命維持に必要なケアに介入するのがターミナル介護になります。入居者やその家族が望む最期を迎えられるよう、施設としても情報収集に努め、必要に応じて介護介入をすすめていくのが特徴です。

まとめ

看取りというと悲観的に感じる方もいますが、その人らしい最期が迎えられるようケアし、悩みに寄り添い決して孤独にさせないのが看取り介護の極みです。病院での看取りがまだまだ多い現状ですが、高齢者向け住宅でも看取り研修に力を注いでいる施設も多数あります。慣れ親しんだスタッフと馴染みのある家具や環境下で幸せな最期を迎えられるよう、入居者を取り巻く、その家族、介護士、医師や看護師が一丸となり支えていく個別性ある看取りが実践されているのです。

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