老老介護の現状とは?高齢者同士の介護を支えるための解決策
老老介護や認認介護は、高齢者同士が介護を行う状況のことです。肉体的・精神的な負担が大きく、家族や介護者にとって深刻な問題となっています。このような状況に直面した際、どのように負担を軽減し、支援を受けるかが重要となります。この記事では、その実態と共に、負担を軽減するための解決策についてご紹介します。
老老介護・認認介護の実態
日本の高齢化社会が進む中で、介護の現場に新たな課題が浮上しています。とくに「老老介護」や「認認介護」という言葉が注目されていますが、これらは高齢者同士が介護をし合う現象です。
老老介護の現状
老老介護とは、65歳以上の高齢者同士が介護を行う状態を指します。たとえば、70歳の子どもが90歳の親を介護したり、80歳の夫が80歳の妻を介護したりする場合が該当します。
このような状況は年々増えており、2022年の調査によると、60歳以上同士で介護を行っている家庭は77%以上、65歳以上同士では64%に達しているのです。この数値は、2001年にはそれぞれ54%、41%であったことを考えると、わずか20年で急激に増加したことがわかります。
認認介護の現状
認認介護とは、認知症の高齢者が、同じように認知症の高齢者を介護する状態を指します。このケースでは、介護をする側も認知症による記憶力の低下や判断力の衰えが進行しているため、適切な介護が難しくなります。認知症を患う高齢者が増えている現状では、認認介護の問題も深刻化しており、今後さらに増えることが予想されます。
増加する理由と今後の課題
老老介護や認認介護の増加の背景には、平均寿命の延びと医療の進歩が挙げられます。高齢者の数が増える中で、介護が必要な人が増え、同時に介護を行う人も高齢になっているのです。
とくに、高齢者同士での介護は、身体的にも精神的にも負担が大きく、介護者自身が健康を害してしまうことも少なくありません。このような現状に対して、社会全体での支援体制の強化が求められています。
老老介護・認認介護の負担を軽減する方法
老老介護や認認介護は、介護をする側もされる側も高齢であるため、負担が大きくなりがちです。しかし、負担を軽減するためにはいくつかの方法があります。こちらでは、その具体的な方法を紹介します。
介護保険サービスの活用
介護保険サービスは、要介護認定を受けている高齢者が利用できるサービスです。訪問介護やデイサービスなど、さまざまな支援が受けられます。訪問介護では、専門のスタッフが自宅に来て、食事や入浴のサポートをしてくれるので、介護する側の負担が軽くなります。
デイサービスでは、高齢者が施設に通って昼間に介護を受けることができ、介護する人も休息を取ることができるのです。これらのサービスは、自己負担が1割程度なので、経済的負担も少なくて済みます。
地域包括支援センターを利用する
地域包括支援センターは、介護に関する困りごとを相談できる場所です。介護に関する悩みや相談を専門のスタッフに聞いてもらい、必要なサポートを紹介してもらいましょう。ケアマネジャーや保健師が、介護保険サービスの利用方法を教えてくれるため、負担軽減のための情報を得ることができます。
介護施設の利用
在宅介護が難しくなった場合、介護施設を利用するのもひとつの方法です。とくに老老介護や認認介護に限界を感じている場合は、老人ホームやグループホームなどの施設に入居することで、24時間の介護サポートを受けられます。
また、高齢者向け住宅に入ることで、日常的な介護負担が軽減され、安心して生活することが可能になるでしょう。施設の選択肢を検討し、自分たちに合った場所を見つけることが重要です。
夫婦や親子で入れる高齢者向け住宅もある
高齢者向け住宅は、年齢を重ねた方が安心して暮らすために設計された住まいです。年齢を重ねるごとに日常生活に不安を感じたり、体力的に無理がかかったりすることもありますが、こうした住宅では、安心して暮らせるバリアフリー設計や介護・看護サービスが整えられているため、より快適に生活を送ることができます。
介護が必要になった場合のサポート
高齢者向け住宅では、日常生活に必要なサポートが提供されており、介護が必要になった場合にも、施設によってはその場で介護サービスを受けることができます。入居後に介護が必要になった際も、施設内での生活を続けながら安心してサポートを受けることができ、慌てることなく日々の生活を送ることができます。
さらに最近では、ターミナルケアに対応した高齢者向け住宅も増えており、終の棲家としての利用を検討する方が多くなっています。これにより、最期まで安心して暮らせる場所を確保できる点が魅力的です。
まとめ
老老介護や認認介護の現状では、高齢者同士が介護を行うことが多く、肉体的・精神的な負担が大きいのが実態です。このような状況を改善するためには、専門的な介護支援の利用や介護施設の活用が重要です。とくに高齢者向け住宅では夫婦や親子で入居可能な施設も増えており、安心して生活しながらサポートを受けられます。また、高齢者向け住宅では介護が必要になった場合も、施設内で介護サービスを受けながら生活を続けることができるため、慌てずに生活を続けられるでしょう。