高齢者向け住宅4つの種類!それぞれの特徴を解説します
高齢化社会が進む中、高齢者向け住宅という言葉を耳にすることが多くなってきました。ご両親やご自身の将来のために高齢者向け住宅を考えている方もいるかもしれません。それでは、高齢者向け住宅には4つの種類があることはご存知でしょうか。こちらでは高齢者向け住宅の4つの種類とその特徴について紹介します。
介護付き有料老人ホーム
施設スタッフによる介護、身の回りの世話、介助サービスが受けられる施設です。スタッフが常駐しているため安心して生活ができます。また、介護を含めた全サービスをスタッフが行うため、要介護度が高くなった場合も施設内での対応が可能となります。
自立生活を送れる入居者用のスペースと介護が必要な入居者用のスペースが分けられていることが多く、要介護度が上がっても施設内での移動で済むというわけです。また、日中は看護師が常駐している点も大きな安心材料といえるでしょう。
介護付き有料老人ホームの契約は利用権方式
住居に関する契約、介護、介助などのサービスに関する契約をパッケージで行います。これにより終身にわたり施設を利用する権利が得られます。しかし、入居者が亡くなると権利が消失するため売却、譲渡、相続はできません。後々のトラブル防止のためにも頭に入れておいたほうがよいでしょう。
介護付き有料老人ホームはこんな方におすすめ
要介護度が高くなった場合も途中で施設移動が難しい方、介護や体調について将来不安がある方におすすめの施設といえるでしょう。終の住処として選択する方が多い理由でもあります。
住宅型有料老人ホーム
施設スタッフによる身の回りの世話や介助が受けられる点は、介護付き有料老人ホームと同じです。大きな違いは介護が必要な場合、外部事業者との契約が必要となる点。中には訪問介護事業所やデイサービスが併設されている施設もありますが、その際も外部事業者扱いで別途契約が必要になる場合がほとんどです。
また、住宅型有料老人ホームには、ケアマネージャーを配置している施設も多くあります。悩みを相談できるシステムが用意されているというのは心強いものです。ケアマネージャー配置の有無も確認しておくとよいでしょう。
日々の生活に関しては、レクリエーションが多く、変化のある日々を送れる施設が多くなっています。サークル活動や習い事に力を入れている施設も見受けられ、生活の質の向上にも期待が持てるのではないでしょうか。
以上のことから、住宅型有料老人ホームは比較的要介護度が低い方を対象にした施設といえますが、自立した生活をおくれる高齢者の入居も可能です。
住宅型有料老人ホームの契約は介護付き有料老人ホーム同様利用権方式
契約方式は同じであっても、既に述べたように介護が必要な場合は外部の事業者との契約が必要になります。その際の契約は利用権には含まれていないので注意しましょう。
住宅型有料老人ホームはこんな方におすすめ
生活の自由度が高いため、現在は自立生活ができている方、または要介護度が低い方に向いているといえるでしょう。介護サービスは必要な部分のみを補うので、費用もおさえられます。その分、自身の嗜好に合った生活を楽しみながら施設での生活を送りたい方にもおすすめできます。
シニア向け分譲マンション
高齢者が生活しやすいように設計された分譲マンションです。夫婦や親子での入居が可能な場合がほとんどです。シニア向け分譲住宅として明確な基準が設けられているわけではありませんが、バリアフリー設計がなされていたり、手すりが設置されていたりと、さまざまな工夫がされています。
自立した生活を楽しみたい入居者が多いため、図書館や娯楽室をはじめとする共有設備が充実しているのも特徴です。大浴場やカラオケルームを備えている物件もあります。マンション内での繫がりも生まれ、精神衛生上もよい影響があるのではないでしょうか。
また、多くの物件でコンシェルジュが置かれていて宅配便やクリーニングの受け渡し、安否確認などのサービスを受けられます。注意点としては、介護には対応していないため、介護が必要になった場合は外部事業者を探す必要があるということです。
シニア向け分譲マンションの契約は所有権方式
通常のマンションと同じように購入する所有権方式での契約となります。住宅ローンの利用も可能で、物件の売却、相続、賃貸もできます。
シニア向け分譲住宅はこんな方におすすめ
戸建て住宅からマンションに住み替えたい方、資産価値を重視する方に適しているようです。また、自立した生活が可能で、趣味や娯楽を楽しみ、自由な生活を送りたい方にも向いているでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅
高齢者向けのサービスが付いた賃貸住宅で、サ高住、サ付きとも呼ばれます。高齢者住まい法により、設備面ではバリアフリー構造であること、各部屋の床面積25平方メートル以上で台所、水洗トイレ、洗面設備、浴室、収納を備えていることが定められています。
サービス面ではケアの専門家が少なくとも日中常駐していることが決められているようです。その他、オプションで家事代行や外出の付き添いなど、さまざまなサービスが受けられるところもあり、安心して自宅と変わらない自由な生活が送れる住宅です。介護が必要な場合は、外部事業者との契約によりサービスを受けることになります。
サービス付き高齢者向け住宅の契約は賃貸借方式
一般的な賃貸住宅と同じ契約ですが、契約の更新はありません。契約時に敷金、月々に家賃、管理費が必要となり、水光熱費、食費が別途かかります。
サービス付き高齢者向け住宅はこんな方におすすめ
元気で自立した生活ができるが、現在の自宅では暮らしにくくなってきた方、老人ホームには抵抗を感じる方が安心して暮らせる住宅として適しています。また、初期費用をおさえたい方にも向いているといえるでしょう。
高齢者向け住宅の4つの種類について紹介しました。年齢、体調、生活形式、家族構成など、それぞれの事情はさまざまでしょう。入居してからも自分らしく、安心して快適に暮らせる施設に巡り会えるよう、将来どのようなシニアライフをおくりたいかを思い描くとともに各施設の特徴を理解しておきましょう。